野村総合研究所(NRI)は、日本初の本格的な民間総合シンクタンクとして1965年に設立され、現在は連結売上収益8,147億円(2026年3月期)を誇る東証プライム上場企業(証券コード4307)です。経営コンサルティングとITソリューションの両輪で事業を展開し、コンサル業界・SIer業界の双方から注目を集める存在となっています。

一方で「NRI」と一括りに語られることが多いものの、コンサルティング事業本部とITソリューション部門※は、母体が異なります。転職を検討する際にはこの構造を理解することが出発点となります。

※本記事では、NRIの事業セグメントである「金融ITソリューション・産業ITソリューション・IT基盤ソリューション」を総称して「ITソリューション部門」と呼びます。

本記事では、VOLVEの視点から、NRIへの転職に必要な情報を、公式IR資料・採用ページと業界各種ソースを照合しながら整理しました。「コンサルティング事業本部に行くのか、ITソリューション部門に行くのか」「年収はどの程度まで上がるのか」「選考はどう違うのか」を解説します。


野村総合研究所とは

創業ストーリーと組織の二大ルーツ

NRIの起源は1965年4月、野村證券調査部から分離独立した「株式会社野村総合研究所」にあります。これは日本における本格的な民間シンクタンクの先駆けでした。一方、現在のITソリューション事業の母体は、1966年に野村證券電子計算部から独立した「野村電子計算センター」です(同社は1972年12月に「野村コンピュータシステム(NCC)」へ商号変更しています)。

転職検討者にとって重要なのは、1988年1月にNRIとNCCが合併して現在のNRIが誕生したという事実です。つまり現在のNRIには、

  • 調査・コンサル系のDNA(旧NRI、野村證券調査部由来)
  • システム・IT系のDNA(旧NCC由来)

という二つのルーツが並存しており、コンサルティング事業本部とITソリューション部門はいまでも独立した事業組織として運営されています。

企業概要(2026年3月期時点)

項目

内容

設立

1965年4月1日

本社

東京都千代田区大手町1-9-2 大手町フィナンシャルシティ グランキューブ

代表取締役

代表取締役社長 柳澤 花芽

連結売上収益

約8,147億円(2026年3月期)

従業員数

単体7,981人/連結16,894人(2026年3月期)

上場区分

東証プライム(証券コード4307)

国内外拠点

国内・海外に多数(アジア・豪州・北米に展開)

(出典:NRI公式「会社概要」「沿革」、有価証券報告書)

海外拠点はアジア・豪州(オセアニア)・北米に展開し、近年はM&Aや新規拠点設立を通じてグローバル化を加速しています。長期経営ビジョン「NRIグループビジョン2030」では、連結売上1兆円超といった目標を掲げています(海外売上目標等の内訳数値は中期経営計画の版により異なるため、最新の公式資料をご確認ください)。

コンサルティング事業本部とITソリューション部門の関係

NRIの事業セグメントは大きく以下に分かれます。

  • コンサルティング事業本部:経営戦略・産業政策・DX戦略・金融戦略などのコンサルティングサービス
  • 金融ITソリューション事業本部:証券・銀行・保険向けの基幹システム・運用サービス
  • 産業ITソリューション事業本部:流通・製造業など産業全般のシステム構築・運用
  • IT基盤サービス事業本部:クラウド・セキュリティなど共通インフラ

本記事では、上記の金融IT・産業IT・IT基盤の3事業本部を総称して「ITソリューション部門」と呼びます。

売上構成比で見ると、ITソリューション部門の合計が全体の大半を占め、コンサルティング事業本部単体の売上比率は1割前後にとどまります(年度により変動。NRI公式IR資料を参照)。つまりNRIは「コンサル要素を持つ大手SIer」という性格と「日本最大級のシンクタンク」という性格を併せ持つ企業だと理解するのが実態に近いと言えます。

転職活動上は、コンサルティング事業本部とITソリューション部門では採用選考が分かれています。本記事は主にコンサルティング事業本部(経営コンサルタント職)への転職を想定して解説しますが、ITソリューション部門との違いは適宜明示します。

戦略コンサルと総合コンサルの違いについては、以下の関連記事もあわせて参照ください。

関連記事:戦略コンサルと総合コンサルの違い


案件・カルチャーの特徴

コンサルティング事業本部の案件領域

NRIコンサルティング事業本部は、業種別の専門部隊と機能別の専門部隊によって構成されています。2026年時点では、グローバル事業企画室や消費財・サービス産業コンサルティング部、ヘルスケア産業コンサルティング部、社会システムコンサルティング部などが新設されており、組織の細分化が進んでいます(NRI公式ニュースリリース参照)。

案件領域を大別すると、以下のようなテーマが中心になります。

  • 経営戦略・事業戦略:全社戦略、事業ポートフォリオ、新規事業企画
  • 金融サービスコンサルティング:銀行・証券・保険業界の戦略策定、規制対応
  • 公共・社会システム:政策提言、行政DX、国・自治体向け調査研究
  • 産業コンサルティング:エネルギー、ヘルスケア、流通、製造業の事業戦略
  • DX・IT戦略:CIO支援、IT中期計画、デジタル戦略策定
  • グローバル経営コンサルティング:日本企業の海外展開支援、海外M&Aアドバイザリー

特に金融セクターと公共セクターの実績量は国内有数と評価されることが多く、政府・自治体・規制当局を顧客とする調査・政策提言案件の厚みは、外資系戦略ファームと比較して相対的に厚いNRIの特徴とされます。野村證券調査部をルーツに持つ金融分野の知見と、日本初の民間シンクタンクとして培った官公庁・自治体向けの実績は、他のファームが容易に模倣できない蓄積と言えます。

NRIの企業理念「Dream up the future.」

NRIの企業理念の中核には「Dream up the future.(未来創発)」というメッセージが置かれています。NRI公式ページでは、「未来は分からない、見えないものなのだから、思い切って私たちで作ってしまおう」というアプローチが示されています。

長期経営ビジョン「NRIグループビジョン2030」では、経営とテクノロジーの融合、DXの先にある豊かさの追求、デジタル社会資本によって世界をダイナミックに変革する存在を目指す、といった方向性が打ち出されています。

このフィロソフィーは、日々のプロジェクトの中では「短期の利益最大化よりも、社会・産業の長期的なあるべき姿を構想する」というスタンスとして表れる傾向があるとされます。ただし実際の案件運営では、当然ながらクライアントワークとしての納期・成果のシビアさも存在するため、「社会派の理想だけで動いている」という単純化はミスリードになりやすい点には注意が必要です。

評価制度・人事制度と昇進カルチャー

NRIは長期育成型のカルチャーが基本です。外資系戦略ファームに見られる「Up or Out(昇進できなければ離脱)」型のプレッシャーは相対的に弱いとされ、新卒から長く在籍する社員(プロパー)の比率が高いことが特徴の一つです(コンサルティング事業本部・ITソリューション部門それぞれの採用内訳比率は公表されていません)。

NRIは2022年4月に人事制度を抜本的に改定し、過去の功績や年次ではなく、当期の「役割(ミッション)」と「成果・貢献度」に基づいて職階・処遇を決める等級制度へ移行しています。NRIのキャリア採用サイトでも、現行制度は社歴を問わず役割と成果で処遇される旨が説明されており、プロパー入社者とキャリア入社者で評価の枠組みに差を設けない設計とされています。

この制度の実務的な意味を、転職検討者の視点で整理すると次のようになります。

  • メリット:腰を据えて長期的にキャリアを築きやすく、入社経路(新卒/中途)そのものが評価のハンデになりにくい
  • 留意点:新卒入社者と中途入社者では、初期に共有される暗黙知・社内人脈に差が出やすいため、中途入社者は早期にネットワークを構築する意識が要る
  • 昇進カルチャー:年次プレッシャーは外資戦略ファームより穏やかだが、職位ごとの期待役割は明確で、昇進にあたっては定量・定性の両面から評価される

グローバル経営コンサルティング部門の特徴

NRIには日本企業の海外展開を支援するグローバル経営コンサルティング部門があり、自動車・電機・化学などのセクターを中心に、海外M&Aアドバイザリー・事業戦略・DX支援などを手がけています。海外拠点(インド、タイなど)での海外トレーニー制度も用意されており、希望者が海外経験を積めるしくみが整備されています(NRI公式リクルートサイト参照)。

ただし全コンサルタントが海外案件に常時アサインされるわけではなく、案件の中心はやはり国内クライアント向けである点は事実として押さえておくとよいでしょう。

人材育成

NRIではコンサル・ITスキル講座、DX人材育成プログラム、社費留学生制度(海外大学院進学支援)などの育成施策が公開されています。社費MBA留学の選抜枠が存在するのは外資系戦略ファームと共通する点ですが、競争率は高く、誰もが必ず行ける制度ではありません。


年収・職位体系

平均年収(全社)の公表値

NRIは上場企業のため、平均年収を有価証券報告書で公表しています。

年度(3月期)

平均年収

2021年

約1,225万円

2022年

約1,232万円

2023年

約1,242万円

2024年

約1,271万円

2025年

約1,322万円

2026年

約1,332万円

平均年齢は約39.7歳(2026年3月期)。

ここで重要なのは、この数字はNRI全社(コンサル部門+ITソリューション部門+本社スタッフ)の平均だという点です。NRIは部門別の年収を正式には開示していないため、コンサルティング事業本部単体の水準は公開情報のみでは特定できません。なお、コンサルティング事業本部は職位構成上、全社平均より高めに分布する傾向があるとされます。

職位体系と年収水準(コンサルティング事業本部)

NRIのコンサルティング事業本部の職位は、2022年の人事制度改定を経て、概ね下位から「メンバー → アソシエイト → シニアアソシエイト → エキスパート」という段階で上がっていきます。その上位は一本道ではなく、組織運営を担う「マネジメント職」と、部下を持たずに高度な専門性で価値を出す「チーフエキスパート職」という対等な複線型のキャリアパスに分岐するのが特徴です(両者は同格として処遇されます。職位名は時期や部門により細部が異なる場合があります)。

年収については、NRIは職位別の公式開示を行っていません。以下はあくまで、有価証券報告書の全社平均と、複数の業界各種ソース(転職エージェント各社の解説等)を照合した目安であり、レンジで捉えるべき数字です。残業代の含み方、賞与の業績連動、職位移行のタイミングによって個人差が大きく出ます。

その前提で大まかな水準感を示すと、若手のアソシエイト層で概ね600万〜900万円台シニアアソシエイト層で900万〜1,300万円程度が一つの目安とされます。課長・高度専門職クラスにあたるエキスパート層になると1,400万円前後から1,700万〜2,000万円程度まで広がり、部長・統括クラスのチーフエキスパート職やマネジメント職では2,000万円を超えるレンジに入ると紹介されることが多い、という整理になります。

ただし、特に上位職のレンジはソースによって相応のばらつきがあり、数値を鵜呑みにするのは禁物です。職位別年収を細かい数値で断定している記事も少なくありませんが、NRIのコンサルティング事業本部の年収は個人の業績評価とプロジェクトの収益性に応じた変動が大きいため、具体的な提示額はエージェント経由で個別に確認することをおすすめします。

中途入社時の想定エントリー職位

中途入社時のエントリー職位は、これまでの経験年数とコンサル経験の有無に応じて、概ね以下のように設定されることが一般的です。

  • 第二新卒〜社会人経験3年未満:アソシエイト
  • コンサル経験者、または事業会社で実務経験5年程度:シニアアソシエイトまたはエキスパート
  • コンサル経験10年以上・部門マネジメント経験あり:エキスパート以上(チーフエキスパート/マネジメント候補)

実際の格付けは選考過程の面接評価と現状年収を踏まえて決定されます。コンサル未経験で事業会社からの転職の場合、現状年収が大幅に上振れる前提では入社しづらいケースもあります。


選考プロセス

選考フロー全体像

NRIコンサルティング事業本部のキャリア採用は、概ね以下の流れで進むとされます。ただし以下は公開されている選考体験情報をもとにした一般的な流れであり、職種・職位・時期により内容や順序が異なります。公式採用ページでは具体的な選考ステップの詳細は明示されていないため、最新の選考内容はエージェント経由で確認するのが確実です。

ステップ

内容

1. 書類選考

履歴書・職務経歴書の提出

2. Webテスト(適性検査)

言語・非言語・性格検査等

3. 1次面接

現場マネジャークラスとの面接、職務経歴の深掘り

4. 論述試験

与えられたテーマでPowerPoint資料を作成・提出

5. 2次面接(論述ディスカッション含む)

論述資料に基づくディスカッション、ケース面接の要素

6. 最終面接

役員クラス/人事との面接

選考期間は2〜3か月程度になることが多いとされます。面接の回数や論述試験の有無は応募職種・職位により異なる場合があるので、エージェント経由で都度確認するのが確実です。

Webテストとケース面接の特徴

Webテストは標準的な適性検査が用いられます。対策不足で足元をすくわれないよう、市販の問題集で一通り慣れておくことをおすすめします。

ケース面接(ディスカッション)は、外資系戦略ファームのような短時間で1問完結する形式というよりも、論述試験で作成した資料をベースに、面接官と仮説検証を進めるディスカッションの比重が高いとされます。論点としては、

  • 金融業界の構造変化や規制対応に関するテーマ
  • 公共政策・行政DXに関するテーマ
  • 産業セクター(自動車・エネルギー・ヘルスケア等)の事業戦略テーマ

など、NRIの実案件領域に直結するテーマが選ばれる傾向があります。出題テーマに対し、仮定を明示しながら段階的に思考を進める丁寧さと、面接官のフィードバックを受けて軌道修正できる対話力が評価されます(複数の選考解説記事の共通項)。

論述試験の対策ポイント

論述試験はNRI選考の特徴的な要素の一つと言われています(公式に開示された情報ではなく、選考体験談・転職メディア由来の情報である点はご留意ください)。一定の準備時間(数日〜1週間程度のケースが多いとされます)を経て、PowerPoint資料を提出する形式が一般的とされます。準備のポイントは以下の通りです。

  • 構造化:表紙→エグゼクティブサマリー→背景/課題→分析→施策→リスク/KGI・KPIの流れ
  • 可視化:図やグラフは「結論を一目で読ませる」配置に
  • 根拠:出典明記、仮説と事実の分離、感度分析・代替案の提示

コンサル未経験で応募する場合、まずはケース面接対策と並行して構造的なドキュメンテーションの練習をしておくと、論述試験で大きく差をつけられます。

ケース対策・面接対策については、以下の関連記事もあわせて参照ください。

関連記事:ケース面接対策:準備の始め方
関連記事:ビヘイビア面接(行動面接)の完全対策

求められる英語力

NRI公式の中途採用ページでは、英語力(TOEICスコア等)の具体的な要件は明示されていません。コンサルティング事業本部内では、国内案件中心のチームでは英語必須ではない一方、グローバル経営コンサルティング部門や海外トレーニー制度を希望する場合は、業務遂行可能なレベルの英語力が望ましいとされます(具体的なスコア要件は公開されていません)。

なおITソリューション部門でも海外プロジェクトや海外グループ会社との連携案件は存在しますが、メインプロジェクトの多くは日本国内クライアント向けという点はコンサルティング事業本部と共通します。

求められる人物像

NRIの公式採用ページや過去の選考通過者の傾向から、以下の要素が重視されると考えられます。

  • 課題を自分事として捉え、主体的に考え抜く姿勢
  • 新しいテーマや難しい課題に挑戦する意欲
  • 専門性を磨き続ける成長志向
  • 多様なメンバーと協働しながら価値を生み出せる協調性
  • 社会や産業全体へのインパクトを意識する視座

面接では、前提を丁寧に置きながら筋道立てて深く考え抜く力と、議論の中でフィードバックを受けて軌道修正できる対話力が重視されます。これは、前述の「論述資料をベースに仮説検証を進めるディスカッション」という選考形式とも整合します。ロジックの精度が軽視されるわけではなく、むしろ「丁寧かつ深く」考え抜けるかが見られていると理解するのが実態に近いでしょう。


キャリアパスとポストNRI

在籍中に獲得できる3資本

NRIのコンサルティング事業本部での経験は、転職市場において以下のような「3資本」として評価されやすい傾向があります。

  • スキル資本:戦略立案・調査分析・ドキュメンテーション・プロジェクトマネジメント
  • 専門資本:金融、公共、エネルギー、ヘルスケア、DX等の特定セクターまたは機能領域に関する深い知見
  • 人的資本:金融機関や中央省庁、大手事業会社の経営層・部門長クラスとのネットワーク

特に「コンサル × IT」のハイブリッドな視点は、NRI出身者の差別化要素として評価されることが多いポイントです。戦略を絵に描くだけでなく、システムでどう実装するかまで見通せる人材は、CIO・CDOクラスへのキャリアパスにも繋がりやすいとされます。

ポストNRIで活きるキャリアの方向性

NRIはプロパー比率が高く長期在籍する社員が多い組織で、外資系戦略ファームのように「数年での卒業」が前提の文化ではありません。そのため、ポストNRIの転職先について網羅的に公開されたデータは乏しいのが実情です。以下は、前項の3資本が活きやすい進路の方向性として整理したものであり、実際の進路は個人の専門領域や志向によって大きく異なります。

  • 事業会社の経営企画・DX推進部門・CIO/CDOクラス:「コンサル × IT」の経験と親和性が高く、NRIで培った資本が最も素直に活きる方向の一つ
  • 金融・公共・産業など特定セクターの事業会社・団体:在籍中に深めた業界知見や、官公庁・金融機関とのネットワークを活かすパターン
  • 他のコンサルティングファーム:特にIT戦略・DX領域では、実装まで見据えたNRIでの経験が評価される場面がある

ポストコンサルのキャリアパス全般については、以下の関連記事もあわせて参照ください。

関連記事:【2026年版】ポストコンサルのキャリアパス


【Q&A】NRI転職に関するよくある質問

Q1. コンサル未経験でも応募できますか?

応募可能です。事業会社で5〜10年程度の実務経験、特に金融・公共・特定業界の深い知見をお持ちの方は、シニアアソシエイト〜エキスパート相当で採用されるケースもあります(コンサル未経験の場合はシニアアソシエイト前後が中心です)。

Q2. 英語ができないと不利ですか?

国内クライアント中心のチームを志望する場合、英語力は必須要件ではないとされます。一方、グローバル経営コンサルティング部門や海外トレーニー制度を希望する場合は、業務遂行レベルの英語力が望まれます。長期的にはNRIのグローバル化方針もあり、英語力は持っていた方が有利な要素であることは間違いありません。

Q3. コンサルティング事業本部とITソリューション部門、どちらを選ぶべきですか?

両部門は採用選考が分かれています。経営戦略の立案・産業構造への提言・調査研究にフォーカスしたい方はコンサルティング事業本部、システム企画から実装・運用までを通じてクライアントを支援したい方はITソリューション部門が向くと言えます。一般的に部門間の異動は限定的であり、入社時の配属がその後のキャリアを大きく規定する点には留意してください。

Q4. 他のシンクタンク(MRI、日本総研など)との違いは何ですか?

事業規模では、NRIの連結売上収益8,147億円(2026年3月期)に対し、三菱総合研究所(MRI)は約1,215億円(2025年9月期連結)と大きな差があり、IT事業の規模感がNRIの大きな特徴です。日本総合研究所(JRI)は三井住友フィナンシャルグループのシンクタンクで、金融グループとの距離感が異なります。コンサル × IT × シンクタンクの3機能を最大スケールで持つ点が、NRIを他のシンクタンクと比較したときの最大の差別化要素と言えます。

Q5. 激務度はどの程度ですか?

プロジェクトや時期によりますが、外資系戦略ファームに比べると相対的に穏やか、というのが業界の通説です。一方で繁忙期は深夜残業もあり、入社後の業務負荷が一定程度発生することは織り込んでおく必要があります。また選考過程においても、論述試験などの準備負荷が発生する点には留意してください。「激務度は外資戦略より低いが、楽な仕事ではない」という認識が実態に近いでしょう。


まとめ

NRIへの転職を検討するにあたって押さえておきたいポイントを、5点に整理します。

  1. NRIには「コンサルティング事業本部」と「ITソリューション部門」という二大組織があり、採用選考は別ルート。本記事はコンサルティング事業本部を主に解説していますが、ITソリューション部門は別の選考になります(人事評価の枠組み自体は2022年改定で全社共通化されています)。
  2. 平均年収は約1,332万円(2026年3月期、全社)。ただしこれは全社平均であり、コンサルティング事業本部の職位別水準は別途エージェント経由で確認するのが確実です。
  3. 選考は3回前後の面接+論述試験(PowerPoint資料作成)が一般的とされます。論述試験はNRI特有のプロセスとされ、構造化・可視化・根拠提示の準備が重要です(選考内容は職種・時期により異なります)。
  4. プロパー比率が高く長期育成型のカルチャー。2022年の人事制度改定により、社歴ではなく役割と成果に基づく共通の評価制度が適用されています。
  5. 「コンサル × IT」のハイブリッド経験がポストNRIの市場価値の核。事業会社の経営企画・CIO/CDOクラスなど、その経験が活きる進路につながります。

VOLVEは、戦略コンサル業界出身のアドバイザーが、野村総合研究所への転職をご一緒します。


参考文献・出典

(本記事は2026年5月時点の公開情報をもとに作成し、2026年6月に内部ファクトチェックを反映して改稿しました。年収・組織体制・選考フロー等は変更される可能性があるため、最新情報は公式採用サイトまたはエージェントにご確認ください。)